最近では、有料・無料の様々なデザインツールがあり、テンプレートを使えば誰でも手軽におしゃれなWebサイトやチラシを作れるようになりました。
でも、おしゃれなだけではデザインにはならないのです。
私自身、デザインを習得する際に、一番最初に教えられたのが「デザインとアートの違い」でした。
実際に仕事としてデザインをしていると、その違いを理解していることの重要性を感じます。
そこで今回は、下記の内容について書きたいと思います。
- そもそもデザインとは何か
- デザインを自作する場合のよくある失敗
- デザイナーにデザインを依頼するメリット
- <参考> 彩葉D&Wの実案件のボツ案から見るデザイン事例
これからパンフレットやチラシなどを作ろうと思われている方の参考になれば幸いです。
デザインとは?
まずはそもそも論から。
デザインとは「問題を解決したり、目標や課題を達成するために用いる表現手段」のことを指します。
ビジネスにおいてデザインは、告知や広告などに用いられます。
ターゲットとなる相手に情報を届け、その結果として相手に何らかのアクションを取ってもらう切っ掛けを作るための手段が「デザイン」です。
ターゲット層が違えば効果的なデザインも変わりますし、自分が好きなデザインがターゲット層に響くとは限りません。
ちなみに、よくデザインと混同されるものにアートが挙げられます。
アートとは自己表現であり、人の心に感銘や感動を与える芸術のことです。
自分の好きなものを才能を持って表現し、人の心を動かすのがアートであり、
相手のニーズに合わせて効果的な表現を施し、相手に何らかのアクションを取ってもらうのがデザインです。
このように、テンプレートを使って見た目がおしゃれな物をただ作れば良い、という類のものではないのがデザインであり、デザインには「相手」や「目的」があるのです。
余談になりますが、彩葉D&Wではデザインの他にWebライティングも承っています。
こちらにもアートとデザインのような違いが存在し、小説は自己表現の芸術ですが、Webライティングは目的達成や課題解決のための文章を使った表現手段ということができます。
デザインに必要な能力とは?
では、デザインをする際に必要な能力とは、どのようなものでしょうか。
前述の通り、デザインとは課題や問題を解決するための表現手段です。
そのデザインをする上で必要不可欠な能力として、私が実際に強く感じているのが下記の3つになります。
- ニーズを捉える力
- ロジカルシンキング(論理的思考)
- 表現力
デザインには、相手の望んでいるものを聞き出したり、ニーズを捉える力が必要です。
そして、クライアントやターゲット層の課題や目標が何なのかを把握した後には、どのようなデザインが効果的なのか、感覚ではなくロジカルに考える必要があります。
そのためにはターゲット層に合わせたデザインが必要になりますし、心理的な効果を利用するなどデザインには思考が必要になるのです。
そしてもちろん、デザインというからには表現力も必要です。
いくらニーズを聞き取り、イメージを固めても、実際に形にできなければ意味がないからです。
このように、相手のニーズを掴み、どうすれば問題を解決したり課題や目標を達成できるのかを考え、それを表現することでデザインは完成します。
この3つステップのうち、どれか1つでも欠けてしまうとデザインにはならない、と言えるのではないでしょうか。
自作デザインで陥りがちな失敗
ここまでで、デザインとは何かについて書いてきました。
それを踏まえ、ご自身でテンプレートを使ってチラシなどのデザインをする際に陥りがちな失敗例を挙げてみます。
- 色の組み合わせが悪くて見ずらい
- 情報量が多くてどこから見ていいかわからない
- 欲しい情報がどこに書かれているのか探すのが大変
- 自分の好み全開で、他の人が見ると何の告知なのかよくわからない
このような状態では、せっかく人の目に触れたとしても、読んでもらえない・見てもらえない・届かない、という結果になってしまいます。
デザイナーにデザインを依頼するメリットとは?
デザイナーに依頼することのメリットとは、自分の時間を最小限に抑えて「デザイン」が出来上がる点だと言えると思います。
前述の通り、相手のニーズを掴み、どうすれば問題を解決したり課題や目標を達成できるのかを考え、それを表現することがデザインであり、そうして初めてデザインがターゲット層に届くことになります。
ビジネスを始める際、特にスモールスタートであれば、Webサイトやチラシなどのデザインも自分で作りたいと思う方も多いと思います。
確かに、デザインツールやテンプレートを利用すれば見た目は整います。
ただ、中身を伴わせるために、デザインのロジックやセオリーなど、色々なことを勉強して反映させるには時間が掛かります。
ご自身の時給や、本業に専念した際に得られる将来的な効果を考えると、デザインの外注費の方が結果的に費用対効果が得られるのではないでしょうか。
とはいえ、何かのイベントの度にデザインを外注していては費用が嵩んでしまうのも現実ですよね。
例えば普段の生活の中でも、日頃のおしゃれ着洗いはエマールに任せて、中でも大切なものはクリーニングに持っていく、というような選択を、どなたでもされていると思います。
デザインもそれと同じで、ちょっとした期間限定の告知であれば無料ツールを使い、しっかりとした業務用のパンフレットを作るのであれば外注するなど、賢く利用すると良いかもしれません。
また、ビジネスを始めようと思い立っても、実際に始める際には勇気と覚悟と労力が必要になり、なかなか思い切って一歩を踏み出せない、という方も多いようです。
彩葉D&Wにご依頼いただいたお客様からは、デザインを外注したことがビジネスを始める後押しになったと言ってもらえることが多い印象です。
<参考> 実際のボツ案から見るデザインとは?
デザインをするからにはおしゃれさが絶対条件かと思いきや、実際には「オシャレなデザインにはしないでください」と言われることがあります。
例えば代官山にあるようなお店であれば洗練されたスタイリッシュなデザインが必須かもしれませんが、自宅の近所にある気取らないお店であれば、親しみやい雰囲気の方がむしろ気軽に足を運んでもらえます。
時に、敢えて「田舎っぽい」イメージのご指定があったり、「オシャレではない」デザインをご希望されることがあるのです。
また、いくら自分が気に入っていたとしても、目的から外れていればデザインとは言えません。
このように、届けたい相手(=ターゲット)と目的(=知ってもらう・利用してもらう・買ってもらう)によってデザインは変わります。
ちょうど今、織作家様の活動用の折パンフレットを手掛けているのですが、ご提供いただいたお写真が紙のお写真をデータ化したもので、仕方がないのですがどうしても画像が粗いのです。
そこで、織の模様や作品のディテールがわかるお写真を数枚撮らせていただきました。
とはいえ大々的に撮影をしたわけではなく、お時間も限られていましたので数点をiPhone Proでさっと撮り直しただけ。
この限られた写真の中から表紙を作ろうとすると、織のディテールはわかりますし、画像も十分に綺麗、見た目もスタイリッシュなのですが、、、
まるでアパレルのような雰囲気に仕上がってしまいます。
作家様の伝えたいことの1つ目は「北欧の光・風・空気」や「ホッとするひと時」。
2つ目が「手仕事」や「糸によるつながり」。
パンフレットの目的は活動を知ってもらうことで、PRということになります。
ということは、作家様の作風や手仕事感が伝わらなければ意味がありません。
全てのキーワードを同時に表現できるちょうど良いお写真がなかったこともあり、限られたお写真の中で全てを一度に表現しようとすると中途半端にもなりがちです。
どうしようかと考えた結果、それぞれのイメージに特化した案を別々に用意することにしました。
ご提供のお写真の中からできるだけ粗くない画像で、それぞれのイメージに合ったものを選び、下記の2つの表紙デザインが出来上がりました。
結果的に、今回はこの別々の案を2つとも採用していただきました!
このように、目的に関係なくただオシャレなだけだったり自分の好みで作ったものは自己満足でしかなく、クライアントのニーズに合わせて考えることがデザインには必要になるのです。
ちなみに、今回私がお撮りしたアパレルのような雰囲気の写真は織のディテールがわかるため、表紙ではなく作品紹介の箇所(パンフレット内側)に使わせていただきました。
まとめ|デザインは賢くビジネスに利用しよう
力を入れたいイベントや新製品の告知の際に、読み手がどこから見れば良いのかわからないようなデザインでは、せっかく目に触れても見てもらえないことになってしまいます。
費用対効果を考え、場面に合わせ、無料ツールを使うのか、外注するのかを使い分けると良いかもしれませんね。
彩葉D&Wでは、今までのビジネス経験で培ったコミュニケーション能力を活かし、皆様の想いに寄り添い、商品やサービスの魅力を人に伝わる形にトランスレートいたします。
また、伝えたいことが多すぎてうまくまとめられない文章も、すっきりと要点をまとめてWebサイトやチラシなどに反映いたします。
お気軽にお問い合わせください♪
コメント